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12月の誕生石と言えば、ターコイズ(トルコ石)が有名ですよね。
しかし、12月の誕生石はターコイズだけではありません。
ラピスラズリもタンザナイトも12月の誕生石。
実は、誕生石が3つある月は、3月、6月、12月だけ。
またターコイズ、ラピスラズリ、タンザナイトはそれぞれ異なる青色を宿しており、それぞれ移り行く空の色を表しているかのよう。
今回は、そんな12月の誕生石のお話。
トルコ原産ではないターコイズ
ターコイズの語源は「pierre turquoise」フランス語で「トルコの石」という意味。
ターコイズという名前も、有名な別名のトルコ石も、つまりは同じ意味というわけです。
しかし、実はターコイズはトルコ原産の宝石ではありません。
では、なぜトルコの石と呼ばれたのか。
その答えは、ヨーロッパにターコイズを広めたのがトルコ人だったから。
ターコイズの歴史はかなり古いのですが、ヨーロッパに渡り、人気を博したのは14世紀ごろ。
この時の産地は、主に現在のイランだったと言われていますが、イランから直接ヨーロッパに運ばれたのではなく、途中でトルコを中継し、トルコ人によってヨーロッパに運ばれました。
そのためにトルコの石だと勘違いし、あろうことかその勘違いがそのまま名前になってしまったのです。
世界最古のパワーストーンのラピスラズリ
その美しさから人々に愛される宝石たちですが、それらにはもう1つの側面があります。
それは、パワーストーンとしての側面。
ラピスラズリの歴史はかなり古く、古代エジプトやバビロニアでは王族の装飾品に使われていたり、世界各地の神話に登場したりします。
旧約聖書、新約聖書ともにラピスラズリは登場しますが、どちらもサファイアとして記載されています。
どうして「サファイア」と記載があるのに「ラピスラズリ」なのか不思議ですよね。
しかし、新約聖書のヨハネの黙示録において、12種類の宝石で飾られた礎の11番目、「青玉」と記載されている宝石が現在のサファイアだと判明しているため、2番目のサファイアと記載されている宝石がラピスラズリだと考えられること。
また、旧約聖書のモーゼの十戒において、サファイアの石版に十戒が刻まれていると伝えられているが、それも現在ではラピスラズリだと考えられているのです。
ラピスラズリもサファイアも青い宝石。
古い時代は、あまり区別されていなかったのかもしれませんね。
ちなみに、ツタンカーメンの黄金のマスクにもラピスラズリが使われています。
新しい宝石タンザナイト
もしかしたら、タンザナイトと聞いてもピンとこないかもしれません。
というのも、タンザナイトは先に紹介した2つの宝石と違い、歴史の浅い宝石。
まだ発見されてから50年ほどしか経っていないのです。
ちなみに、タンザナイトの名付け親は、大人女子憧れのブランド、あのティファニー社。
タンザニアで発見されたことから、その名がつけられました。
異なる空色を持つ宝石たちの宝石言葉
不思議な伝説を持つターコイズ
晴れ渡った空のようなブルーが清々しいターコイズ。
そんなターコイズの宝石言葉は「成功」と「繁栄」。
ネイティブアメリカンは、ターコイズの空のような美しい色から、地球を取り巻く美しい空を表す神の石として神聖視していました。
そのため、雨ごいや儀式にターコイズを用い、父から子へ代々引き継ぎ、大切にしました。
代々受け継がれたことから、「繁栄」という宝石言葉がついたのかもしれません。
ちなみに、ターコイズは人から贈られた方が力が強まると言われています。
また、ターコイズには不思議な言い伝えも。
ターコイズは持ち主に危険が迫ると、変色したり、欠損して持ち主に危険を知らせるというもの。
つまり、いつまでも美しい状態のターコイズの持ち主は、危険がなく、成功しているとも言えますね。
「成功」という宝石言葉はこの伝説からきているのでしょう。
フェルメールも愛した深い青
深いブルーに浮かぶ金の模様。
それはまるで夜空に浮かぶ無数の星のよう。
そんなラピスラズリの宝石言葉は「聖業」と「幸運」。
先にお話した通り、世界最古のパワーストーンであるラピスラズリ。
「聖業」という言葉は、古くからパワーストーンとして活躍してきたラピスラズリに相応しい宝石言葉であると言えます。
ちなみに、ラピスラズリの和名は「瑠璃」。
仏教における七宝の1つとして、日本でも古くから特別な宝石として扱われていたんですよ。
また、「真珠の首飾りの少女」で知られる画家、フェルメールはウルトラマリンと呼ばれる美しい青の顔料をよく作品に用いています。
このウルトラマリンは、金よりも高価だと言われ、その原材料はラピスラズリ。
とても高価な顔料のため、他の画家は少量しか使用できなかったのに対し、フェルメールは、どの作品でもウルトラマリンを惜しげもなく使っている。
これは彼の妻の母(つまり義母)が裕福であったからできた所業であり、とても幸運だったと言えよう。
ラピスラズリの色を愛したフェルメールが、ラピスラズリの宝石言葉「幸運」を体現しているとは、フェルメールもまたラピスラズリに愛されていたのかもしれない。
ティファニー社の命名で人気の出たタンザナイト
夕暮れから夜に移り変わる時のような、紫と青のコントラストが美しいタンザナイト。
そんなタンザナイトの宝石言葉は「高貴」と「冷静」。
ティファニー社によって名付けられたタンザナイトですが、そう名付けられる前はゾイサイトという鉱物の1つでしかありませんでした。
しかし、ブルーゾイサイトでは「suicide(自殺)」を連想させてしまうとして、タンザナイトと名付けました。
このティファニー社の冷静な判断によって、タンザナイトは人気の宝石になったのかもしれません。
「冷静」という宝石言葉がぴったりに思えます。
また、タンザナイトは2002年に12月の誕生石として、あとから加えられた宝石。
1912年に誕生石リストが定められて以降、あとから加えられた宝石は、タンザナイトだけ。
誇り高い誕生石の仲間入りができるなんて、とても名誉あること。
夕暮れのような高貴な輝きがあってこそ、選ばれたのでしょう。
まとめ
歴史のあるターコイズとラピスラズリ、そして新しい宝石タンザナイト。
12月の誕生石は、そんな古い宝石と新しい宝石とどちらも備わっています。
特にタンザナイトは、誕生石リストにあとから追加された唯一の宝石。
また、12月の誕生石は3つともそれぞれ表情を変えた、美しい空の色をしています。
異なる空色を身に着けて、楽しんでみてはいかがでしょうか。