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7月の誕生石ルビー。
凛々しさの中に甘さを含んだ美しさをもつルビーは、かつては「宝石の女王」と評されていました。
宝石の女王の座をエメラルドに譲るきっかけとなったのは、人工合成技術の発達。
しかし、技術が発達したおかげでルビーが身近な存在になったともいえるので、あながち悪いことばかりでもありません。
それに、今では天然のルビーと見分けがつかないほど人口のルビーも美しいものになっています。
女王だったころの美しさはそのままに、より身近な存在になった7月の誕生石。
今回はそんなルビーの魅力についてお話ししましょう。
王座に座る者だけが許された軍神の宝石
さて、ルビーの宝石言葉は「威厳」「仁愛」そして「情熱」。
ルビーの歴史は古く、古代ローマでは戦場に赴く戦士たちは、みなルビーを身に着けていました。
なぜならルビーには、軍神マルスの力が宿ると考えられていたからであり、人々からは「勝利の石」と崇められていました。
当時の人々は、マルスの力が宿った勝利の石を身に着けることで、戦場という過酷な環境でも勇気と情熱をもって、赴くことができたのです。
ルビーの「情熱」という宝石言葉は、この古代ローマの戦士たちに由来しています。
また、時代が近代に進むと、ヨーロッパでルビーを身に着けることができるのは王侯貴族だけに。
王侯貴族とは、王族と各領地を守る領主のこと。
日本でいえば、殿様ですね。
ルビーはそんな王侯貴族しか身に着けられないほど、高価で特別な宝石になったのです。
ということは、あの宝石の王様、ダイヤモンドよりも特別な宝石だったということ。
世界はルビーの天下だったのです。
そんなただでさえ特別なルビーですが、そのなかでも圧倒的なルビーが、スウェーデン王グスタフ3世からロシアの女帝エカチェリーナ2世に贈られたルビー。
このルビーによってスウェーデンとロシアの間に平和が約束されたのですが、このルビーの透明度と美しさはさることながら、大きさがとんでもないものでした。
通常、ルビーは3ct以上の大きさのものがほとんど採れない宝石にも関わらず、このルビーの大きさはなんと卵ほどもあったそう。
いまだにこれを超えるルビーは見つかっていません。
そんな王の玉座に座れる者のみに許されたルビー。
王たる者、威厳が無くては民衆に対して面目が立ちませんし、仁愛の心がなければ反乱が起こります。
「威厳」「仁愛」という宝石言葉は、ここに由来がありました。
なんといっても美しい赤が魅力的
ルビーの魅力は、なんといってもその美しい赤い色。
それもそのはずで、ルビーという名前の語源は、ラテン語で「赤」という意味の「ルバー」。
なので、赤以外のルビーというものは残念ながら存在しないのです。
赤ではないルビーがあるとしたら、それはサファイア。
ルビーとサファイヤは兄弟だと、1度はどこかで聞いたことがあると思いますが、実際同じ鉱物なのです。
さて、赤以外の色がないルビーですが、ひと口に赤と言っても様々な色がありますよね。
例えば、百貨店の化粧品売り場、シャネルのコーナーに並ぶたくさんのリップたち。
これらも言ってしまえば、すべて赤。
しかし、その微妙なニュアンスを見極め、楽しめるのが、私たち大人女子ではないでしょうか。
ルビーもリップのように、ニュアンスの違う赤の世界を楽しんでみてください。
まとめ
軍神が宿ると言われているルビーは、毎日を戦う私たち大人女子に相応しい宝石と言えるでしょう。
それがルビーを誕生石にもつ7月生まれであれば、なおさら。
誕生石は、身に着けると幸運が訪れると言いますが、ルビーの場合は是非、右側に着けてください。
中世ヨーロッパの肖像画を見てみると、ルビーは必ずと言っていいほど右側に着けられています。
なぜなら、右は積極性を表すと言われており、右側にルビーをつけると願いが叶うと言われていたから。
かつてはダイアモンドよりも重宝され、「宝石の女王」と呼ばれていたルビー。
現在では、人工のものでも女王と呼ばれていた頃と変わらぬ美しさを備えつつ、かつてよりも身近な存在になりました。
是非、戦場に合わせたルビーを右側に装備して、日々の戦で勝利をもぎ取ってください。